爪乾癬と向き合う!最新ケアと注意点をチェックしよう

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乾癬は、爪の表面・全体が、波打つガタガタ形状になったり、斑点状の窪みができたり、色の変化があったりします。

自分自身も、思わず爪に目がいってしまうことから、乾癬の悪化要因であるストレスに直結しやすい存在でもあります。

今回は、爪乾癬の症状や原因、最新の治療法や注意点をまとめました。

乾癬の現状

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まずは、乾癬の概要を見ていきましょう。乾癬は、後天性角化症といって、皮膚の角質層の厚みが増してくる病気の一種です。

乾癬の発症傾向

乾癬は、日本人の0.1%の割合で発症します。男女比は2:1で、男性が多くなっています。青年期~中年期にかけて発病しがちな病気です。

乾癬の発症原因

乾癬が起こる理由は、まだはっきりとは分かっていません。

家族内発生が多かったり、双子(一卵性)での発症が7割と高いことから、遺伝的な要因もあるのではないかと考えられています。

一方、ステロイドや免疫抑制剤が治療薬として有効なため、近年では免疫の調整機能に異常が生じ、皮膚の表面に近い部分で、免疫が異様に動く疾患だと考えられています。

乾癬の症状

乾癬の症状は、皮膚に赤い発疹が出てきて、その上に鱗屑(りんせつ)がのっている状態が、よく見られます。鱗屑とは、角質細胞が剥がれ落ちたものです。頭や肘に多く発生します。

乾癬の種類

乾癬は、大きく5つの病型に分類されます。

  • 尋常性乾癬:ほとんどの乾癬の病型で、乾癬の大きな紅斑が体幹に見られる
  • 滴状乾癬:1cm程度の紅斑が多発する
  • 膿疱性乾癬:紅斑の上に膿が出る
  • 乾癬性紅皮症:皮膚全体が紅斑で覆われる
  • 乾癬性関節炎:関節・脊椎で炎症が起こる

乾癬の治療法

乾癬の、一般的な治療法はこちらです。

治療法 詳細
活性型ビタミンD3外用薬 表皮細胞の異常な増殖を抑える塗り薬。ボンアルファ・ボンアルファハイ・ドボネックス など。
ステロイド外用薬 白血球の活動や血管の拡張を抑えて、炎症を抑える塗り薬。
光線療法 紫外線を照射する治療法。
ビオチン療法 ビタミンHの内服、注射で、免疫機能を調整。
ビタミンA誘導体 表皮の過剰な増殖を抑える飲み薬。レチノイド(エトレチナート) など。
免疫抑制剤 白血球に働いて、炎症物質の産生を少なくする。シクロスポリン(ネオラール) など。

 

上記で改善が見られない場合、最近では生物学的製剤のインフリキシマブ(レミケード)、アダリムマブ(ヒュミラ)を使用し、表皮細胞の増殖を促すTNF-α抗体の働きを抑える治療が取り入れられます。

爪乾癬の概要

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それでは、乾癬のうち、爪に乾癬特有の変形が生じる爪乾癬の詳細に移ります。

爪乾癬の発症率

爪乾癬 発症率

乾癬患者のうち、爪乾癬にかかるのは30~50%程度であるとされますが、乾癬患者の生涯で見ると、爪に皮疹が生じるのは80~90%と高い数値になります。

この数値から分かるのは、乾癬患者にとって爪乾癬は、決して珍しいものではない、ということです。

年齢が上がると、爪に変形が見られる確率は上昇します。見た目が気になってしまったり、痛みが出て仕事へ影響してしまったりします。

爪乾癬の症状

爪乾癬を、若くして発症した患者の爪病変は、悪化しがちです。

子供の例では、80%に点状陥凹が起きます。次に多いのは、爪剥離症です。その他の変化には、

  • 変色
  • 点状出血
  • 爪の肥厚
  • 角質増殖
  • 爪の消失
  • ボロボロ化

などがあります。

爪の根元での症状

爪の近位測(根元)の細胞増殖は、表面に進んで、炎症・不全角化を起こして表面から脱落し、表面がへこみます。

爪の先での症状

爪の遠位側(先)の細胞増殖は爪甲底面に進み、爪床部での炎症を起こして白色爪が変化して、油染み斑点と呼ばれる褐紅色の斑点が出現します。

点状陥凹へも関係があるといわれ、長さと深さは、病変の期間と深刻度を反映しているとされます。

爪床での症状

爪床の炎症は、爪甲剥離を起こします。乾癬からくる爪甲剥離は、周囲のピンク色の正常部位との境い目に、黄紅色の辺緑帯が出る、という特徴があります。

爪床の症状が悪化すると、爪甲下角質増殖が起こり、縦長の点状出血が見られます。増殖程度は、乾癬病変の強さが反映されます。

爪囲での症状

爪囲の乾癬は、爪囲炎と症状が似ています。二次的にカンジダ性爪囲炎を伴うこともあるので、真菌鏡検が必要になります。病態は深く、炎症が長く続くと爪甲が脱落することもあります。

爪乾癬の色調の変化

爪乾癬の色は、

  • 黄色
  • 緑色

などがあり、剥離・炎症・出血・血清滲出成分(糖蛋白)など、様々な要因が絡み合って決まります。

ただし、微生物(カンジダ・白癬菌・緑膿菌)などの混合感染の可能性も、常に考えておく必要があります。

乾癬性関節炎の可能性も考慮

爪乾癬の症状があまりに高度である場合には、乾癬性関節炎の可能性を考える必要があります。

爪乾癬が関節炎に発展するとは限りませんが、爪と関節の血流が同一であることや、解剖学的に近しい関係であることから、炎症が起こりやすい条件がそろっているのです。

乾癬性関節炎は、X線撮影やMRIで診断されます。

爪乾癬の程度評価の方法

爪乾癬の病変程度を評価する指数には、NAPSI(Nail Psoriasis Severity Index)が使われます。

爪を十字に四等分し、爪の根元と爪床に、乾癬病変の有無を0~4にスコアを付けます。手足の指20本で合算して、最高は80点となります。

ただし、この判定方法では爪病変の重症度は度外視されており、判定者でスコアにばらつきが生まれるようです。

爪乾癬が悪化する要因

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爪乾癬の症状が悪化する原因には、どのようなものがあるのでしょうか。

爪乾癬は刺激で悪化する

一般の乾癬が悪化す原因と同じですが、刺激はケブネル現象の始まりとなります。ケブネル現象とは、症状が出ていない部位であっても、皮膚が傷ついたり摩擦が起きたりするなどの刺激と感じると、新たな発疹が出現することを言います。

爪をいじったり、爪が変形するのや角質を取り除くために擦ったり、尖ったもので無理やり書き出したりすると、余計に悪化します。爪乾癬を隠そうと思ってマニキュアを施すことも、同様に刺激になってしまいます。

感染症も悪化要因に

感染症も、爪乾癬の悪化要因になります。結膜炎・尿道炎・関節炎を伴うと、ライター病への関連性も考えられます。

薬剤による細胞増殖作用

薬剤性によって、爪の症状悪化要因になるものもあります。主な薬剤は、下記があります。

リチウム製剤 イノシトール欠乏説に伴って、細胞内伝達機構に影響が生じて、細胞内のカルシウム濃度を下げ、細胞増殖が起こる。うつ病などの精神薬として処方される。
β遮断材 アデニール酸シクラーゼの受容体を遮断して、cAMPが低下、細胞内のカルシウム濃度が下がり、細胞増殖につながる。
非ステロイド性抗炎症薬 アラキドン酸代謝のシクロオキシゲナーゼに作用して、プロスタグランジンE2を抑制。cAMPの低下が起こり、細胞内カルシウム濃度が低下して細胞増殖につながる。

 

爪乾癬の治療

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爪乾癬の治療は、難しいと様々な文献に記述されています。

一般的な乾癬の治療が爪に対してされても、著しい改善がなされている、とまでは言えないようです。

一定の効果が認められるステロイド外用薬

ただし、ランクの高いステロイド外用剤、ステロイド外用剤にビタミンD3製剤を加えたものには、一定の効果が見られています。

爪への注射:効果大だが痛みがある

爪乾癬に効果的なのは、ステロイド剤を局所注射したものと、生物学的製剤とされます。ただし、ステロイド剤の副作用もありますので、小児治療ではできません。

トリアムシノロンを爪の付け根や、爪床に局所注射する方法は、かなり症状改善に有効だとされますが、注射の痛みがすさまじく、局所麻酔や不正出血などの問題もあるようです。

光線療法「ナローバンドUVB」が急速に普及

光線療法については、PUVA療法に一定の効果があるとされます。ナローバンドUVBという極めて狭い範囲の紫外線照射が有効だという報告もあり、急速に普及しています。

X線照射は発がんの危険も

X線照射も過去実施されていて、爪乾癬の改善に有効なことは分かっていますが、発がんの危険性を考慮し、現在はあまり行われていません。ただし、低線量のX線は、高齢者の爪乾癬に対しては行ってもよいという選択肢が広がっています。

薬剤の全身投与は予後に不安

レチノイド・シクロスポリン・メソトレキセートなどの薬剤を全身投与する治療は、一定の効果が認められますが、副作用が懸念されますので予後には注意が必要となります。

近年は、重度の乾癬患者に対して生物学的製剤を治療に用いるようになってきました。

生物学的製剤の使用も検討

さらに爪乾癬では、発症の位置的に、乾癬性関節炎を併発する危険性が指摘されていて、早い段階で、関節炎を治療する重要性が高まり、生物学的製剤の導入に積極的な傾向があるようです。

生物学的製剤は、続々と新薬が導入されていますが、評価や薬のコンビネーション・相性などは、今後見極める分野となるでしょう。

また、抗TNF-α製剤で時に起こる乾癬病変の悪化には、注意が必要です。爪病変や爪周囲の膿発生が起こることもあります。

まとめ

肌と違って、隠しにくい爪。人目が気になる部位で、ストレスにもなりやすいでしょう。しかし、ストレスは症状悪化への影響が大きいものです。ためすぎは禁物です。

治療法は日々進歩していますし、乾癬の皮膚症状の改善がなされると、症状も改善していきます。

自分らしい生活を楽しみつつ、完治を信じて治療を継続していきましょう。

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