乾癬の原因って何? 免疫と遺伝の面からピックアップ

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1,000人に1人、発症するとも言われる乾癬。

乾癬は、慢性的な経過をたどる皮膚の病気です。人によって、症状の重さや発症する場所が異なりますが、典型的な症状は赤い発疹の上に銀白色の皮膚が付着して、ポロポロと剥がれ落ちてくるものです。

今回は、原因が詳細に解明されていない乾癬の、現段階での知見と、症状を悪化させる要素について取り上げます。

乾癬の原因は免疫異常にあり?

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これまで、乾癬を発症する原因は解明されていませんでした。しかし最新の研究では、乾癬は本来は体を攻撃から守るために働く「皮膚の免疫機能」に異常が起こって、発症に至るということが分かってきました。

正しい免疫の働きと炎症が起きるまで

免疫は、細菌やウイルスなどから体を守るために体に備わっている仕組みです。

しかし、免疫に異常が生じると、守るべき対象だった自分自身を攻撃して、炎症を引き起こしてしまうことがあります。

免疫に関与する物質は様々ありますが、乾癬では

  • TNF-α
  • インターロイキン(IL)-23
  • IL-12
  • IL-17

など「サイトカイン」と呼ばれる物質が過剰生産されることによって、皮膚症状・関節症状が誘発されると考えられています。

サイトカインとは

サイトカインとは、細胞間の情報伝達に関わる物質です。細菌やウイルスなど、異物と見なしたものを攻撃する際に、免疫に関係する細胞で作られます。

免疫異常を招くものとは

免疫異常が起きやすい体質を持つ人に、外的刺激と内的要因が加わって、乾癬が発症すると考えられています。

外的な刺激と、内的な要因は、以下のようなものがあります。

外的な要因 気候

ケガ

感染症

薬剤

ストレス

不規則な生活

内的な要因 糖尿病

脂質異常症(高脂血症)

肥満

 

遺伝的素因で体質が決まる

乾癬 原因 家族内発症率

また、双子を対象にした研究では、二卵性よりも一卵性の双子で、発症一致率が高かったことが報告されました。

この研究から、乾癬の発症には遺伝的素因の関与が考えられています。ただし日本で実施された調査では、家族内発症頻度は4.4%という低いものでした。

乾癬の発症に関係する遺伝子は複数あって、乾癬の病型・種類によっても関与する遺伝子は異なります。

乾癬を悪化させる原因

乾癬を誘発したり、悪化させたりする原因は、以下のようなものがあります。

乾燥する冬に注意

乾癬を悪化させる要因として、気候があります。特に日本では、皮膚の乾燥がしやすく日光にあたる機会の少ない冬に、症状が悪化しがちです。

一方、湿度が高くて紫外線を受ける時間の長くなる夏には、症状が軽くなります。

ストレスは重大な悪化要因

ストレスは、かなり大きな悪化要因になります。

仕事や人間関係の悩み、家族間トラブルなど、たくさんのストレスが乾癬発症と悪化を呼び寄せます。

乾癬という病気に対する不安自体も大きなストレスになるので、さらに症状が悪化してしまう、という悪循環も起きます。

不摂生が持続すると

食事や嗜好品、生活習慣も、乾癬悪化の原因です。

肉類や脂肪分が多めのカロリーが高い食事は、肌の調子を悪くして、乾癬も悪化させてしまします。

香辛料でかゆみが増し、かいてしまうことで皮膚症状が悪化した、という報告もあります。

お酒・タバコも悪化要素ですから、極力控えていきましょう。睡眠不足・不規則な生活も禁物です。

引っかき傷から新しい傷が

ゲブネル現象を起こすもの
掻き傷、やけど、虫さされ、切り傷、ヒゲ剃り、靴ずれ、衣服、メガネ

 

症状が出ていない皮膚なのに、外傷を負うと、そこから新たな発疹が生まれることがあります。これが、乾癬でみられる「ゲブネル現象」です。上記のような、些細な刺激でも起こりえます。

かゆくてもかかないこと、我慢することが重要です。

感染症に注意

風邪や扁桃腺炎(溶連菌感染症)、喉頭炎などの感染症が、乾癬の症状悪化や再発に影響することがあります。

薬剤の把握不足

薬剤投与によって、乾癬が悪化することがあります。これは、皮膚科以外の診療科で処方される薬剤が原因となることがあり、飲んでいる薬全てを把握しておく必要があります。

食生活での注意点

乾癬 原因 2

悪化要因でも出てきた、偏った食事。

食生活は、乾癬を引き起こす原因にもなり、改善に導く方法にもなります。食生活で気を付けることをまとめました。

バランスよく食べよう

乾癬の症状改善において、厳密な食事制限がなされることはありません。ただし、高カロリーの食事は、悪化要素となることがあります。

肥満や糖尿病、脂質異常症(高脂血症)も、乾癬の発症と関連していることが報告されています。食べすぎ・飲みすぎは控えて、栄養のバラスが整った、彩り鮮やかな食卓を心がけましょう。

お肉よりお魚がおすすめ

肉類・脂質の摂りすぎは、乾癬を悪化させることがあります。肉類よりも魚類を優先して食べて、調理法も揚げる・炒めるなどの油を使ったものよりも、蒸す・煮る方法にシフトしていきましょう。

お酒は飲みすぎない

お酒も、かゆさ増大のきっかけになりますから、控えめにしてください。薬との相性もありますから、内服薬を処方されている場合は、医師の指示に従いましょう。

入浴時の注意点

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お肌を洗う時間の、入浴時に気を付けることを見ていきましょう。

お湯はぬるめで短時間

長時間お湯に浸かったり、熱めだったりすると、かゆみが増してしまいます。ぬるめの温度設定にして、極力短時間で済ませてください。

優しく洗おう

鱗屑を落としてしまおうと、ゴシゴシ洗って落としたくなる人は多いようです。しかし、擦りすぎは、ケブネル現象を起こして、症状が悪化してしまいます。

  • ナイロンタオル
  • ヘチマ
  • 垢すりタオル

などは使用せず、よく泡立てた石鹸で、赤ちゃんの肌を洗うように優しく包み込んでください。

お風呂からあがったら外用薬を塗ろう

塗り薬は、入浴後、すぐに塗るのが効果的です。冬などの乾燥している時期には、保湿薬を併用して使うのも良いですね。

シャンプーも優しく

フケを落とそうとして、指を立てて力強く洗ってしまうと、症状が悪化します。洗髪は、こすらずに優しく洗いましょう。

生活面での注意点

乾癬 原因 4

その他、生活していく上での注意点をまとめました。

服装は肌に刺激がないものを

肌がこすれてしまうような衣服を着ると、症状が悪化してしまう原因になります。狭すぎず、ゆったりと余裕のある服装にしましょう。

フケをストレスにしない

ブラッシングのし過ぎは、頭皮が刺激されてしまいますから禁物です。

また、暗い色の服装ではフケが目立ってしまいますから、薄い色の服を着て、ストレスを軽減することが大切です。

ストレスを上手に解消しよう

ストレスは、乾癬悪化の大きな要因になります。明るい気持ちで過ごせるよう、熱中できる趣味を持ったり、散歩やスポーツなどの気分転換を見つけたりして、上手に解消していきましょう。

肌の保湿をしよう

肌の乾燥も、乾癬悪化の要因になります。

加湿器や保湿剤で、こまめにケアをしてください。特に空気の乾燥する冬は、入念なケアをしましょう。

根気よく治療と向き合おう

乾癬の症状を緩和して、良い状態を長く保つためには、根気よく治療を続けていくことが大切です。通院や薬剤の中断は、自分の判断でしてはいけません。医師の指導を受け、根気よく治療を続けましょう。

鼠径部や外陰部の発疹は医師に相談

乾癬の発疹が、鼠径部や外陰部に出るケースもあります。見つけた場合には、恥ずかしい気持ちはあるかと思いますが皮膚科医に症状を伝え、薬や下着、生理用品などに関する指導を受けてください。

まとめ

現段階での原因と、気を付ける点についてお伝えしてきました。免疫異常を誘発するものを取り払って、症状改善を目指していきましょう。