尋常性乾癬ってどんな病気なの? 症状や治療法を解説

尋常性乾癬 0

乾癬の病型の一つである、尋常性乾癬。

乾癬の中では最も多い種類であり、主な症状に

  • 紅斑
  • 鱗屑
  • 落屑

などがあります。

今回は、尋常性乾癬の症状を詳細に解説し、原因および治療法にまで踏み込んで解説していきます。

尋常性乾癬とは

尋常性乾癬 分類 発症率

乾癬は、皮疹を伴った慢性的な皮膚疾患です。日本では、おおよそ40万~50万人の患者さんがいるとされますが、性別比でみると、2:1の割合で男性の発症が多く見られます。

年代的な発症傾向では、男性では30代、女性では10代・50代で始まるという傾向があります。

「尋常性」とは「最も普通」という意味です。一般的に乾癬というと、この尋常性乾癬のことを言います。乾癬の病類では最も多く、乾癬全体の9割を占めます。

尋常性乾癬の症状

乾癬の皮膚は、炎症を引き起こす細胞が集結して、活性化している状態です。毛細血管が拡張して、皮膚は赤みを帯びます。

また、表皮細胞が通常よりも、10倍以上の速度で生まれ変わります。皮膚細胞の生産が稼働しすぎている状態です。

尋常性乾癬の特徴的な症状は、以下の通りです。

紅斑(こうはん)

丸く、やや盛り上がった赤い皮疹のことを、紅斑と言います。尋常性乾癬の代表的症状です。

乾癬では、頭皮や生え際の皮疹が、初期症状として多く見られます。

肘や膝など、どうしても物理的刺激を受けがちな部位で、乾癬の皮疹があらわれます。

鱗屑(りんせつ)

紅斑の表面を覆う、銀白色の細かいかさぶたのことを、鱗屑と言います。

落屑(らくせつ)

鱗屑がやがて剥がれて、フケのようにボロボロと落ちてきたものを、落屑と言います。

爪の症状

乾癬患者の20%ほどに、爪の病変が観察されます。

強いかゆみが見られる乾癬

尋常性乾癬の皮膚症状は、大きさ・形が人それぞれ違っています。症状が進行すると、皮疹の数が増加して、いくつかの皮疹が結合して一緒になったり、全身を覆ってしまったりすることもあるのです。

約半数はかゆみを訴え、時に強烈になることもあります。

患者数の増加する乾癬

乾癬患者の数は、欧米では人口の2~3%存在し、決して珍しくない病気です。かわって日本では、乾癬発症は、極めてまれなことでした。

しかし、近年の急激な

  • 生活習慣
  • 食生活
  • ストレス増加

などの変化が要因となって、患者数は徐々に増加しています。めったにない病気、とは言えない状況になりつつあります。

乾癬の他の分類について

尋常性乾癬 1

尋常性乾癬以外の、乾癬の病型についても解説します。

乾癬性関節炎(関節症性乾癬)

乾癬全体では、3~5%の発症率が見られるのが、乾癬性関節炎です。

関節の、

  • 腫れ
  • 痛み
  • 変形

をきたすこともあり、関節リウマチと似た症状が出ますが、別の疾患としてカウントされています。

乾癬性関節炎は、手足の指関節に多く炎症が見られます。乾癬患者が必ず関節症性乾癬を発症するわけではなく、乾癬の皮膚症状のひどさが関節症状に影響するわけではありません。

多くの場合は、乾癬の皮疹が出てから、関節症状に移ります。この移行期間が、数ヶ月の時もあれば、十数年後のケースもあります。

乾癬の患者さんで、

  • 関節痛がある
  • 指の関節に乾癬症状がある
  • 乾癬の爪病変がある

といった場合には、関節症性乾癬に発展する可能性が高くなります。

乾癬性関節炎は、治療開始が遅くなると関節破壊が進行し、QOLの低下が懸念されることから、以下の症状が見られる場合には早めの治療開始が重要となります。

末梢関節炎

手足の指先の関節に炎症が生じる。体の片方だけに関節炎が見られることが多い。

指趾炎

指趾(しし)炎とは、指全体が腫れて、ソーセージ指(趾)とも呼ばれる。

付着部炎

腱や靭帯が骨に接着している部分(付着部)に炎症が生じる。痛みを伴う。

滴状乾癬

乾癬全体で、3%の発症率が見られます。若い人で多く、溶連菌感染症(扁桃炎)を発症後に、直径1cm程度の水滴程度の大きさをした小型の皮疹が、全身に発生するものです。

多くは溶連菌感染症の完治に伴って滴状乾癬も治りますが、慢性の尋常性乾癬に移行してしまう場合もあります。

乾癬性紅皮症

乾癬全体の1%で、発病が極めてまれなのが、乾癬性紅皮症です。尋常性乾癬の皮膚湿疹が全身に広がって、全身の皮膚80%が赤くなった状態を指します。

乾癬の治療が不適切であったり、薬・感染症などの影響で発症することが多く、初期状態が紅皮症である患者さんはあまりいません。尋常性乾癬から、乾癬性紅皮症に移行するケースが多く見られます。

症状が持続すると、

  • リンパ節の腫れ
  • 悪寒
  • 発熱
  • 脱水
  • むくみ

といった全身症状を伴います。

汎発性膿疱性乾癬

発症は、極めてまれなのが汎発性膿疱性乾癬です。

発熱や悪寒、全身の倦怠感などが伴って、全身に紅斑が発生し、無菌性のうみ(膿疱)が多数発生してきます。

放置しておくと、全身衰弱により命を落とす危険があります。汎発性膿疱性乾癬、尋常性乾癬の経過中に発生することもあれば、乾癬の症状がないのに、突然発症することもあります。

汎発性膿疱性乾癬は、入院による集中治療が必須です。

難治性と緊急性の高さから、厚生労働省難治性疾患克服研究事業の特定疾患に指定されいます。認定基準を満たすと、医療費助成を受けることができます。

尋常性乾癬の原因と治療法

尋常性乾癬 2

症状は分類されているものの、乾癬の原因については、まだ解明されていません。

現段階での予想される原因

ただ、現段階での予測される原因としては、もともと乾癬になりやすい体質があって、そこに

  • 感染症
  • ストレス

などの要因が加わって、発症することが考えられています。

  • 肥満
  • 糖尿病
  • 脂質異常症(高脂血症)

などの影響も指摘され始めています。

乾癬の感染・遺伝は心配なし

なお、乾癬(かんせん)という呼び方から、人から人へ移る、感染症をイメージされる方もいますが、乾癬は感染する疾患ではありません。発疹に触っても、温泉・プールに一緒に浸かっても、他人へ感染することは絶対にあり得ません。

乾癬を発症しやすい体質は、遺伝するといわれていますが、なりやすい体質だからと言って必ずしも発症するとは限りません。

親が乾癬の子供が発症するのは、5%程度だといわれています。

症状改善を目指そう

乾癬は、慢性的な皮膚疾患なので、現在では完治が難しいとされているものです。しかし、症状がおだやかな状態を、長期間維持することは可能です。

治療を継続して、生活習慣の改善を試みることにより、まずは症状の改善を目指していきましょう。患者さんがおかれている状況によって、適切な治療方針も大きく違いますから、まずは皮膚科医の診断を受けて従ってください。

まとめ

尋常性乾癬やほかの乾癬病型、治療法についてお伝えしてきました。

乾癬との付き合いは、長く続くものですが、あきらめずに症状に応じた治療を継続していくことが重要です。

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