掌蹠膿疱症ってどんな病気?原因から最新治療法まで徹底解説

掌蹠膿疱症 0

手や足が水膨れとひび割れでボロボロになる掌蹠膿疱症は、一度発症すると治療にも大変手間がかかりますよね。

未だこの病気の原因は解明しきれていませんが、この記事ではできるだけ詳しく、病気の原因や治療法についてお伝えしていきます。

掌蹠膿疱症の概要

掌蹠膿疱症1

掌蹠膿疱症は皮膚の病気です。手足に水膨れができ始めたら要注意です。それがかさぶたのようになってきたらこの病気かもしれません。

この章では掌蹠膿疱症について、症状や類縁疾患・早期発見の方法についてお伝えしていきます。

基本的な症状

掌蹠膿疱症は手のひら(掌)や足の裏(足蹠)に膿がたまった小さな水ぶくれ(膿疱)と言われる皮疹が次々にできる慢性の皮膚疾患です。

膿疱とは、白血球の一種で炎症反応に関係する好中球が皮膚の最も上の角層にたまったものになります。

周期的に悪化と回復が繰り返され、初期に起きる小さな水疱(水膨れ)である皮疹が脛やひじに出る可能性もあります。

手のひらや土踏まず、かかとが赤みを帯びると、次に膿疱ができ、最終的には茶色っぽいかさぶたになります。

加えて新しい膿疱が別の個所にできることを繰り返す可能性もあり、ひどくなると、皮疹は水疱から成り、角層がボロボロと落ちてきます。

後々にボロボロと落ちた角層が皮疹に交じり合い、出始めによくかゆくなるようになります。

皮疹の中からは細菌やウイルスが見つかってないので、免疫に関係する病気であると推測されています。

類縁疾患

慢性的にこの病気が経過すると、突然、鎖骨や胸の真ん中である胸鎖肋関節などの関節に痛みが走り、掌蹠膿疱症性骨関節炎に進展することがあります。

この痛みはとても強く、日常生活が困難になりえます。関節の変形などにもつながる可能性があるので放置は禁物です。

そのため、適切な治療が必要になってきます。

早期発見のポイント

掌蹠膿疱症は上述した通り、痛みも精神的にも辛い病気です。

この病気になっても早い段階で気づけるように、早期発見するためのコツを知りましょう。

  1. 手のひらや足の裏に2~3ミリの透明な水疱ができる
  2. 水疱は透明から黄色に色あせ、その後はかさぶたに変化する
  3. ②の時期の水疱が交わって密集した状態になる

このような水疱が継続的にでてきます。

手のひら、もしくは足の裏にだけできる人もいますが、両方にできる人が多いようです。また、症状が突然改善されることもありえます。

水疱はときにかゆくなり、足の裏に水疱ができるので水虫と勘違いして放置し、適切ではない市販薬が使われることもあります。

掌蹠膿疱症の原因

掌蹠膿疱症 2

原因としては主に、慢性病巣感染、金属アレルギー、喫煙、ビオチンの不足、遺伝的要因があります。それらについて詳しく説明していきます。

慢性病巣感染

掌蹠膿疱症の患者の約30%に慢性病巣感染が見られるようです。

例えば、重度の虫歯、歯周病、扁桃腺線、中耳炎、副鼻腔炎(蓄膿症)、胆嚢炎などの慢性病巣感染が掌蹠膿疱症を引き起こしている可能性があります。

気を付けなければいけないのが掌蹠膿疱症自体は無菌性の病気ですが、離れた位置の細菌性の疾患が原因となる場合です

金属アレルギー

掌蹠膿疱症の原因として金属が挙げられます。特に歯の詰め物などの金属アレルギーが引き起こしているとされています。

アレルギー体質の人は全国で3,000万人~5,000万人ともいわれています。そのうち約8割が金属アレルギー、要するに遅延型アレルギーとのデータが存在します。

原因が表面化せず、知らず知らずのうち症状を悪化させる遅延型アレルギーは、検査で見つけづらいので、隠れアレルギーともいわれています。

喫煙

掌蹠膿疱症の患者のうち多くが喫煙者であることから、喫煙に何らかの原因、または増悪因子になっている可能性があります。

特にヘビースモーカーに多いようです。学説は数多く、喫煙が病巣感染を悪化させているという説、ニコチン自体が症状を悪化させているという説、など様々な説が存在しています。

ビオチンの不足

掌蹠膿疱症の患者には体内のビオチン値が低下しているという説が存在します。

ビオチン値が下がると腸内環境のバランスが崩れ、体内で炎症作用が起こっていることもあります。

遺伝的要因

ヒト白血球抗原(HLA)の中でも、HLA-B27というタイプの方々に発症しやすいとされています。一般の日本人においてHLA-B27型を持つ人は1~2%です。

そしてHLA-B27のタイプは遺伝の法則に支配されるので、両親のいずれかにHLA-B27があると、子供には50%の確率で遺伝します。

掌蹠膿疱症の治療方法

掌蹠膿疱症 3

この章では対症療法、副作用があるけど強めの効果が期待できる対症療法、そして根本的な治療を望める治療法について説明していきます。

対症療法

掌蹠膿疱症はウイルスや細菌が原因ではないので、抗生剤や水虫薬などの薬は効果がないようです。

それゆえ、炎症を抑制するための対症療法が主になります。治療は重症度によって変わります。

初期治療としては、炎症を抑えるステロイド軟膏、ビタミンD3軟膏の塗布を粉います。

特にビタミンDは、食物より摂取される以外にも、紫外線を浴びることによって皮膚で作られ、肝臓、腎臓などに送られて活性型ビタミンD3となります。

活性型ビタミンD3は骨を丈夫にするカルシウムを強くする働きをしますが、軟膏として皮膚に塗布すると、皮膚の過剰な細胞増殖や炎症を抑制する作用があり、乾癬や掌蹠膿疱症によく使用されます。

強めの効果が期待できる対症療法

外用薬だけだとコントロールがなかなか難しいようです。その場合、さらに強力な治療として飲み薬が必要になります。

ビタミンAに似通った性質であるエトレチナートという薬は、副作用が強く出ますが、治療効果も大きくなります。

その理由は、掌蹠膿疱症性骨関節炎が起きたときには免疫抑制剤として使用されるからです。

しかし、これらは根本的な解決ではなく、患者の症状に対応して処置する対症療法なのです。

掌蹠膿疱症の原因は完全に解き明かされてはいませんが、免疫に関係することが分かっており、根治につながる可能性があるいくつかの方法が見つかりました。

根治につながる可能性のある治療法

主に生活面における症状を処置することで治療が進む可能性があります。

禁煙

患者には喫煙者が多く、禁煙に効果がある可能性があります。

扁桃腺の切除

扁桃腺が弱い人が多く、扁桃腺炎が起きると掌蹠膿疱症も悪化するようです。扁桃腺とは、舌のつけ根の両サイドにある、こぶのようなものです。

扁桃腺の役割は、口から体内に侵入するウイルスや細菌から、体を保護する「免疫」の役割を担っています。

扁桃腺の機能が弱い人には、扁桃腺をとることで治ることもあります。

歯に関する病気、歯科金属アレルギーの除去

歯を支えている骨が何かしらの原因によって少なくなる歯槽膿漏などの病巣や、歯科金属のアレルギーが原因である可能性があります。

したがって、歯槽膿漏の治療やアレルギーの原因となる歯科金属を除去すると治ることもあると報告されています。

ビオチン療法

近年、掌蹠膿疱症に対する治療で脚光を浴びているのがビオチン療法です。その理由として、掌蹠膿疱症はビオチンの不足により増悪している可能性があるからです。

ビオチンは主に髪や皮膚の健康を保つ栄養素になります。糖質、脂質、たんぱく質の代謝を助けて皮膚や粘膜の健康を維持します。

皮膚を作る細胞を活発にして、老廃物の排泄を促し、肌のターンオーバーを正常にするなど、皮膚科で扱われる安全性の高いビタミンです。

ビオチンは食事にも含まれており、加えて腸内で生産されていることもあり、不足することは希少なのですが、腸内細菌叢が乱れているとビオチンが不足しやすいことが判明しています。

したがってビオチンに加え、整腸剤(ミヤBM)を同時に処方することが多いです。

まとめ

掌蹠膿疱症4

ここまで掌蹠膿疱症の概要、原因、治療方法についてお伝えしてきました。掌蹠膿疱症は原因が複雑に絡み合っているので完全には把握されていない恐ろしい病気です。

掌蹠膿疱症の症状らしきものが見つかったら放置せず、早めに対処するのをおすすめします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です