滴状乾癬ってどんな病気?他の皮膚疾患との違いも詳しく解説

滴状乾癬 0

乾癬は皮膚がボロボロと剥がれ落ちていく、精神的にも肉体的にも辛い病気です。

滴状乾癬は乾癬患者の中でも、発症するのが稀な病気です。

しかし、一般的な乾癬から滴状乾癬が併発されることもあるので、しっかりと知識として蓄えておきましょう。

乾癬とはどんな皮膚病か?

滴状乾癬 1

そもそも乾癬とは、どんな病気なのでしょうか。肌の病気だとはご存知かもしれませんが、皮膚疾患に代表される湿疹などとはどう違うのでしょうか。

滴状乾癬の説明に入る前にわかりやすく解説していきたいと思います。

湿疹の症状

乾癬は戦後、特に増加が著しかった皮膚病の1つであり、現在において皮膚科を受診する患者総数の2~3%占めています。

乾癬はアトピー・かぶれ(接触性皮膚炎)などの湿疹と、どのように違うのでしょうか。

湿疹は最初に、赤いぶつぶつ(丘疹)、水ぶくれ(水疱)もしくは赤い部分(紅斑)ができるのです。

大体の湿疹はかゆみを帯び、引っ掻くことで拡大し、がさがさ肌の状態になり、ジュクジュクとしたふやけた肌の状態になります。

慢性化することで、皮疹(=皮膚病変部)が盛り上がり、かさついた垢のような角質(鱗屑)やかさぶたができます。

このように痒みを伴い(睡眠不足になるほどの痒みときも多い)慢性化すると、正常な皮膚との境界線が曖昧になるのが湿疹の特徴です。

乾癬の症状

乾癬は、発症時や症状悪化時には痒みのある患者は多いですが、大抵の乾癬は湿疹ほどに痒みが強くありません。

乾癬皮疹と正常な皮膚の境界線が極めてはっきりしていることが、特徴といえるでしょう。

そして何よりも、乾癬の形状はとても特徴的です。円形の盛り上がった赤い部分(紅斑)の表面に、白色・銀白色の角質を伴っています。

ときどき大きくまとまって、ペロリと紅斑が剥がれ落ちます。紅斑を無理やり剥がそうとすると、出血するのも特徴の1つになります。

症状が進行すると円形、楕円形の紅斑は数が増殖します。また、他の紅斑にくっつくことで大きな皮疹となり、盛り上がった巨大な紅斑になります。

・乾癬は炎症性角化症の代表的な皮膚病

炎症性角化症とは以下の2つの症状が合併したものを指します。

  1. 皮膚の真皮部分に存在する血管が拡大し、リンパ球などの白血球が皮膚に侵入することで引き起こされる「炎症」
  2. 皮膚の表皮(皮膚の一番外側にある薄皮)が分厚くなることで角層(フケのような部分)が厚くなる「角化症」

②「角化症」の表皮が厚くなる理由は、表皮細胞が過剰なスピードで分裂と増殖を繰り返すからです。

現代では、乾癬患者のリンパ球に問題があるため、表皮細胞の分裂スピードが高速になり、表皮が厚くなってしまうのではないかという説があります。

要するに、リンパ球に原因があるため、皮膚に病気が起こるという考えです。

サイクロスポリン(リンパ球を抑制する薬)が乾癬に効果があり、リンパ球を刺激する細菌感染・ウイルス感染が起こります。

そして、これらが原因で乾癬が悪化することから、リンパ球に原因があり、皮膚に病気が起こるという考えが正しいことを証明しています。

しかし、この説だけでは、乾癬発症の原因を全て明るみにできないことも事実です。

現在の乾癬は、原因説明の決着がついてないというのが実情です。

滴状乾癬について

滴状乾癬 2

ここまでの説明で、乾癬についておわかりいただけたでしょうか。

ここからは、滴状乾癬について解説していきます。

滴状乾癬とは、尋常性乾癬の皮疹と比較して、小さい丘疹(皮膚のもりあがり)がポツポツと全身に出現する乾癬です。

水滴が跳ねたように見えるため、この病名がつきました。

どんな症状がでるか

初期症状としては、少量の紅斑がつぶつぶとでき始め、数日で全身を覆うように増加します。

扁桃腺炎・咽頭炎などの感染症にかかってから、1~2週間後に発症すると言われてます。

症状が進行してくると、紅斑が白っぽいかさぶた状になり(鱗屑)、そして剥がれて、落ちる(落屑)ようになります。

痒みはほとんど無く、初期症状のときや症状が悪化した時に痒みを感じることがあるようです。

紅斑が形状が水滴状ということ以外は、尋常性乾癬の症状とあまり変化はありません。

ただし、滴状乾癬から尋常性乾癬に変異することもあるので、適切な処置が大切になります。

滴状乾癬のかかりやすさ、かかりやすい人

乾癬は日本人口のおよそ0.1%がかかる病気です。

乾癬患者のうち、尋常性乾癬の患者は90%であり、滴状乾癬は3%と言われています。

つまり、滴状乾癬の罹患率は人口10万人に対しておよそ300人(0.003%)と考えられます。

滴状乾癬 3

※日本皮膚科学会より(2017年12月6日閲覧)

そして乾癬は40代までの若い年齢層に多発する病気です。その中でも滴状乾癬は子供に多い病気と言われています。

病気になる原因

扁桃腺炎・咽頭炎等の感染症が発症する原因だと推定されています。

その中でも特に子供が風邪をひくと突然発症することが多く、そのようなケースでは風邪を治せば症状は改善します。

一方、尋常性乾癬が慢性化することで、滴状乾癬を一緒に発症するケースもあります。

・病気の特定する方法

病院で生検してもらいましょう。

生検とは、症状の一部を切り取り、菌や腫瘍の存在を詳しく調査して、病気の診断を行うことを指します。

滴状乾癬では、紅斑と思われる病変の一部分をメスや針で切り取り、顕微鏡などで詳しく調べ、本当に滴状乾癬かを検査します。

一般的には、菌や腫瘍の有無、細胞の異型を調査するのを目的として検査を行います。

治療後のフォロー

大体の乾癬は治りにくい皮膚病です。

しかし滴状乾癬は原因とされている感染症を治療することで、完治が見込める病気なのです。

ですが、ごくまれに再発を繰り返す場合もあります。

乾癬の分類

滴状乾癬 4

尋常性乾癬が慢性化することで、滴状乾癬が併発する可能性があると述べました。

それ以外にも滴状乾癬は突然に発症することが多く、掌蹠膿疱症同様、扁桃腺炎などが誘因になることがあります。

意外にも滴状乾癬は、乾癬に近い皮膚疾患と密接な関係があるのです。ここからは他の皮膚疾患と併発した時のために、乾癬に近い疾患のことを解説していきたいと思います。

尋常性乾癬

乾癬というと、一般的には尋常性乾癬を指します。尋常性とは「普通の、ありふれた」という意味のことです。

皮膚が赤く盛り上がり、表面に白い垢が厚く付着し、その一部がポロポロとはがれ落ちます。

関節症性乾癬

乾癬に様々な関節炎が併発したもの。関節リューマチに似ていますが、血液検査のリューマチ反応では陰性です。

関節症性乾癬は最近、特に増加しています。皮膚症状のほかに、関節炎が辛い患者さんが多く、男性に発症しやすい傾向にあります。

問題は乾癬が改善しても、関節症状が改善しないことがときどきあることです。

膿疱性乾癬 掌蹠膿疱症

尋常性乾癬の症状が悪化し、赤みが出た後に膿疱(白い膿のツブツブしたもの)が皮膚の表面に出現する皮膚の疾患です。

高熱を患い、関節痛を伴う可能性があるため、入院し、治療する必要性があります。

尋常性乾癬から膿疱性乾癬にならずに、単独で発症することがあります。

また、手のひら・足底に限って症状が発現する特殊型は掌蹠膿疱症と呼ばれています。掌蹠膿疱症は細菌感染に関係があると言われています。

掌蹠膿疱症の発症には、扁桃腺炎、副鼻腔炎、歯槽膿漏が掌蹠膿疱症に密接な関係があるようです。

一方、掌蹠膿疱症の患者には、喫煙者が多いと言われています。

まとめ

滴状乾癬 5

滴状乾癬と他の皮膚疾患について解説してきました。

滴状乾癬は、皮膚の症状における形状が一般的な乾癬と少し違います。

しかしそれよりも、他の乾癬に移行することや、他の乾癬から移行して滴状乾癬になる可能性があるのが特徴だと言えます。

もし、あなたが滴状乾癬患者であるのならば、経過観察をしっかりしていきましょう。